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* category: 労働


プレカリアートの憂鬱 

2009.09.08
Tue
20:44

プレカリアートの憂鬱

著者の雨宮処凛(あまみやかりん)さんは、「プレカリアートのマリア」と呼ばれている
らしい。ファッションはロリータ系で、自ら「ゴスロリ(ゴシック・ロリータ)作家」と
自称している。
「それって何?」という方も多いと思うが、「プレカリアート」とは、「不安定」を意味
する「プレカリオ」と「労働者階級」を意味する「プロレタリアート」とを合わせた造語
。イタリアで書かれた落書きから始まった、と言われ、パート、アルバイト、フリーター
、派遣労働者、契約社員、委託労働者、移住労働者、失業者、ニート等、現代若者たちの
多くがおかれている状況を象徴する言葉として、数年前から使われている。つまり「不安
定なプロレタリアート」ということだ。そして彼女は、そうしたいわゆる「負け組」の人
々にとって、聖母マリア的な存在、ということなのだろう。(「ゴスロリ」については、
ここでは省略。興味ある人はネットで検索を)。

 彼女の経歴が、また興味深い。思春期にいじめにあい、不登校、家出、リストカット等
を繰り返すが、この社会での「生きづらさ」をなんとかしたいと思った彼女は、20代の
頃、右翼団体の活動家となり、ロックバンドを結成してボーカルをつとめる。しかし、そ
こでも違和感を覚えて、「生きづらさ」の原因は「新自由主義」にあると考えるようにな
る。今では「社会新報」や「赤旗」に記事を投稿し、週刊金曜日編集委員、反貧困ネット
ワーク副代表、「裁判員制度はいらない!大運動」呼びかけ人など、どうみても「左翼」の
側から発言しているのだが、しかし、本人は「多くの人が生きづらい今のこの国(日本)
は嫌だ」という違和感は「かつて右翼活動をしていたころと変わっていない」、「生存を
求める」ことに右や左は関係ない、と言っている。わかる、ような気がします。

本書は、総勢16名の「プレカリアート」に対する取材記録で、文芸誌「群像」で07年
1月から08年6月まで連載されていた記事をまとめたものだ。
冒頭にはまず、日本国憲法第25条が記されている。つまり日本においては「すべて国民
は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有」し、「 国は、すべての生活部面につ
いて、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」という
「生存権」が補償されているなずのだが、現実は…、というのが、本書の主題。だが、雨
宮氏が本書で訴えているのはそれだけではない。

本書はプレカリアートの「日常」「反撃」「希望」という形で、若者たちの生活を紹介し、最後に映画監督・森達也氏との対談をおさめる。登場する若者たちは、いずれも小さな政府=市場万能、経済成長最優先の「新自由主義」の犠牲者にちがいないのだが、ただし、メディアによく映し出される「悲惨な状況におかれた、かわいそうな人々」というおきまりのパターンではない。
「万国のフラレタリアよ、団結せよ(革命的非モテ同盟、参上)」「プレカリアートの果てしなく『豊か』な世界」「怒濤の反撃ラッシュ!」など、著者独特のおもわず笑ってしまいそうな表現も随所に交え、絶望しそうな厳しい状況の中でも、「生きさせろ」と声をあげ、反撃を試みる生き生きとした姿をレポートしているのだ。
「貧乏だったり不安定だったり、あるいは失うものがなかったりするからこそ、プレカリアートたちは新しい文化の発信源であり、この社会を変える主体であり、市場原理ばかりが優先する社会の中で、何か新しい『生き方』を提示できる。」「その逞しさ、発想の自由さ、トンデモなさにいつも驚かされる」と記述しているように、雨宮氏の視線の先には、尊厳を持って生きる主体としての「にんげん」がいる。
「にん・げん!こいつぁすばらしいや!豪勢な音が、するじゃねえか!」(ゴーリキー著「どん底」、サティンの台詞)という思想にも通じる、人間讃歌。そして本書に示された
プレカリアートたちの姿と、それに対する人々の共感の輪が、これから社会の有り様を変えていく原動力になるのだろう。

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